ヒット・アンド・アウェイの営業戦略(手法)

2022/8/16更新

ヒット・アンド・アウェイの営業戦略(手法)

様々な営業戦略(手法)の中にヒット・アンド・アウェイってのが有りますが、今回はそんな事について思う所を書いて見ようと思います。

ヒット・アンド・アウェイとは?元々はリングの世界から来た戦法のようでして、ヒット(売って)アンド(そして)・アウェイ(後退する)って感じでして、世に出回る前にとか、ライバル他社が察知する前にとか、場合によってはクレームが出る前に、特定の商品を一気に販売して一定期間が過ぎれば又他の商材を見つけて販売をするといった販売手法です。

このような販売手法は主力商品を持たない中小企業でよく使われると思われる方もいらっしゃると思いますが、大量の営業マンを抱える販売部隊でも、目先を変えるって言いますか、プロダクトライフサイクルや周りの状況を見ながらヒット・アンド・アウェイの販売手法はよく使われているのではないかと思います。

もちろんこのような販売手法は良いイメージを抱かない人もいらっしゃると思いますが、売上の大部分を主力商品が占めているような状況においても、使う場合が有ります。

例えばメインとする主力商品が高額で、それをいきなり売り込むよりも、なにか売り込み易い商材で先ず初回の取引を成立させて、取引関係が出来てからメインである主力商品を売り込むって正業戦略を取る場合などです。

但し、この場合はアウェイの意味合いが若干違ってくるので有りますが、新規顧客開拓用の戦略商品を一定期間毎に変更いきませんと、何時も同じ商品で顧客開拓に訪問しても一度上手く行かなかった(断られた)商品では、営業効率の低下を招きますので、正しい営業手法と言えるのでは無いでしょうか?

それどころか、商品には商品寿命(プロダクトライフサイクル)が有りますので、どんなに改良を続けたりバージョンアップを繰り返していても、何時かは市場が飽和状態になってしまったり、ライバル他社が増えてきて、適正な利潤が上げられなくなってきてしまいますので、スピードの違いは在るにせよ、ヒット・アンド・アウェイ的な考え方は必要では無いでしょうか?

但し、アウェイ(後退)のやり方が今回取り上げている営業手法の中で重要な鍵を握っている気がしませんか?

まあ売るだけ売ってさっさと撤退して他の商品に目先を変えて、売ってしまった商品にといては知ったことじゃないって事が露骨に分かってしまいますと、企業の信用力やブランドイメージの低下を招いてしまいますからね?

ですから営業現場におきまして、ヒット・アンド・アウェイ的な販売手法を取ろうと考えた場合には、様々な制約を設けた上で戦略を立てる必要が有ると思います。

■継続的な改良やバージョンアップを買う側が求めない商品で有る事。

■販売後のサポートやアフターサービス体制が不要な商品である事

■短期間で結論をお客に対して求められる商品であり、商談が長引く事が少ない商品で有る事

まあ簡単に書いてしまいますと、短期間売り切りの商品で、撤退しても大丈夫な商品を選ぶって事でしょうね?

このような押さえるべき項目を考えていれば、短期間で売上を挽回したり、新規顧客開拓に力を発揮する営業手法でありますので、やり方によっては有効な営業戦略であるって事は言えるのですが、このような手法一辺倒であっても、将来にわたった安定した売上を確保できなくなってしまうでしょうね?

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