選択と集中について考える

2022/8/16更新

選択と集中について考える

選択と集中について考える

営業マンに限った事では有りませんが、誰もが一日24時間で睡眠と食事とプライベートな時間を除けばどの営業マンも仕事(営業活動)に費やせる時間に大きな差は出てこないので有りまして、限られた時間の中で最大限の営業効率を追求して、売上/利潤(利益)を出そうと思った場合に出てくる考え方として選択と集中が出てくるのは自然の流れだと言えましょうね?

日本の場合、選択と集中が上手く出来ない企業が多いと言われますが、これは捨てる事が出来ない経営者が多いからではないかと思っています。

無茶苦茶簡単にザックリ書いてみますと、とある企業で販売している商品の売上構成が以下のような場合だったとしましょう。

■商品A  売上構成比 60% 粗利率25% で今後の市場の拡大が見込まれる商品で前年対比 120%で売上が伸びている商品

■商品B  売上構成比 10% 粗利率18% で長年の取扱商品であり、大幅な売り上げ増は見込めないが安定していて前年対比ほぼ100%で売れている商品

以上のような2つの商品が有って、営業部は毎日残業や休日出勤の連続で、これ以上の稼働時間の確保は出来ない状態で、事務所のスペースの関係で人員の増加が直ぐには出来ない状態です。
更に人員の増加に関しては、十分な利益が出ていない状態ですので、おいそれとは出来ません。

さて、この状況を客観的に考えると粗利率が高く今後の伸びが期待される商品Aを拡販して、商品Bを切り捨てるほうが全体の売上や利益が伸びると思いますが、多くの経営者は商品Bを切り捨てて販売を中止する事を躊躇してしまうのでは無いでしょうか?

商品Bは売上が落ちている訳でもなく、安定していて一定の売上や利益が確保出来る事がはっきりしていますので、10人中9人は商品Aも商品Bも今まで通り、販売を続けていくと思いますので、結局、選択と集中は出来ないまま現状維持になってしまいます。

どうせなら、売上が大幅に落ちていたり、利益が殆んど確保出来ない状態になっている商品であれば、思い切らなくても販売を廃止する事が出来ますが、冷静に限られた営業リソースの配分を考えて、切り捨てるって事は中々出来ない場合が多いのでは無いでしょうか?

これは数字や実情だけで客観的に考える事が出来ない心情の部分と言いますか、踏ん切りがつかない気持ちの問題ですよね?

諺に”新しい箒は綺麗に掃ける”っていったかそんな諺が有ったと思いますが、新しい(今までのしがらみが無く外からやって来て、客観的に物事を見ることが出来る状態の)人は慣習とか習慣にとらわれないで、判断が出来たり行動する事が出来る例えですが、選択と集中のためには時には人員移動(人事異動)を行ってからではないと出来ない場合も有るのでは無いでしょうか?

まあ、選択と集中なんて先ずは捨てる事ありきでありまして、不採算部門なら分かり易いですが、何かを捨てれば必然的に残ったものに対しての集中力や力の配分は高くなりますので、捨てる事が出来れば選択と集中は半分以上進んだと言っても良いのでは無いでしょうかね?

これを、個々の営業マンレベルで扱い商品以外での話では、営業マンの一月の活動内容を分析して見ると、移動時間の占める割合が大部分で実際の営業活動に費やす時間が、非常に少ない場合など、思い切って担当エリアを小さくしてしまって、外れたエリアは営業に行かない位のほうが、営業効率が上がって実績が伸びる場合も多いのでは無いでしょうか?

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